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源氏庵の独り言

鎹継ぎ・カスガイツギ

陶磁器の割れ部分を接着する方法のひとつです。 接着する部分の左右に幾つかの小さな穴をあけて、小さな鎹(かすがい)にて接着する方法です。 穴をあける時に内側まであかない様にする事や、鎹のみで水が漏れない様に接着する技術等、高度な技術が要求される接着方法です。 又、この方法は、中国人が得意とする方法で、古来より系統の方々が各地に赴き、割れた器等、その場で直接直す商いをしていたそうです。(この鎹継ぎの品を見る度に、昔の人々の技術の高さと品物を大切にする心が伝わってきます。)

花唐草文様・ハナカラクサモンヨウ

現在、蛸唐草文様以上に人気のある文様のひとつで、特にその文様の繊細さや美しさ等から女性に人気の文様です。 花と蔓を表現した文様ですが、蔓の形が唐草文様になっている事から花唐草文様と呼ばれております。この文様も蛸唐草文様と同様に時代が下って来るに従い、丁寧さや繊細さが無くなってきます。 一概には言えない事なのですが、花唐草文様→萩唐草文様→微塵唐草文様→蕨手文様と時代によって変化して来ている様です。(尚、掲載している画像は、江戸中期の頃の花唐草文様です。)

逆蛸唐草文様・ギャクタコカラクサモンヨウ

ご存知、古今東西不滅の人気を誇る蛸唐草の文様の一種ですが、白抜き技法を用い、蛸唐草の文様以外の部分を呉須にて塗り潰す事により、白地の蛸唐草文様を浮き立たせて表現する方法です。 大変手間の掛かる作業ですので、注文品や上手の品に多く描かれており、大概江戸中期の頃の作品と言えると思われます。 又、上記の様に手間の掛かる手法ですので現存している品も少なく、希少な品と言えます。

蛸唐草・タコカラクサ

ご存知、古今東西不滅の人気を誇る柄であり、唐草の文様の一種ですが、見た目、蛸の足の様に見える事から蛸唐草として呼ばれている文様で、時代によって唐草の模様の太さ・文様・丁寧さ等が違っており、時代が下る程、線が細く、雑な描かれ方になってくる様です。(因みに掲載している文様は、江戸中期の蛸唐草文様です。)

漆継ぎ・ウルシツギ

ホツレた部分等を漆で補修する事。 この漆の上に金粉を振り掛けた場合には金直し、銀粉を振り掛けた場合には銀直しと言います。

御本手・ゴホンテ

明るい斑点状の色模様の出た焼き物の事を言います。 白い素地にほのかなピンク色の斑点が出来る御本手は目を見張る思いが致します。これは土の中に含まれている鉄分その他の成分が還元と酸化の微妙な領域にのみ発色する現象であり、有る程度意図的に又自然任せの産物であり、土と炎の出会いから生まれる模様です。

二本筆・ニホンフデ

高台の縁の外側等に筆を二本同時に持って二重線を描く技法の事を言います。 この作業は通常の製作工程の上に施される工程であってこの工程を経た品はそれだけ手の込んだ品だと言う事が出来、上手の品に多く描かれた様です。